皆さんは、高橋是清(たかはし これきよ)という人物をご存じでしょうか。
高橋是清は、内閣総理大臣、大蔵大臣、日本銀行総裁などを歴任した政治家・財政家です。丸顔で親しみのある風貌から「ダルマさん」「ダルマ大臣」とも呼ばれました。
高橋是清の人生は、決して順風満帆なものではありません。
若いころに渡米して苦労を経験し、その後もさまざまな失敗や挫折を経験しました。しかし、それらを乗り越え、日露戦争の際には海外で日本の戦費調達に奔走し、後には日本銀行総裁や総理大臣を務めるまでになります。
昭和恐慌と「高橋財政」
高橋是清が特に高く評価されているのが、昭和恐慌への対応です。
当時の日本は深刻な不況とデフレに苦しんでいました。
高橋は大蔵大臣として、金輸出再禁止、金融緩和、財政支出の拡大など、大胆な経済政策を進めました。
いわゆる「高橋財政」です。
景気が悪いからといって、ただ支出を削減するのではなく、必要なところには思い切って資金を投入し、経済を動かそうとしました。
その結果、日本経済は比較的早く恐慌から回復していきます。
大切なのは「アクセル」だけではなかった
高橋是清について私が特に興味深いと思うのは、積極財政を行ったことだけではありません。
景気が回復してくると、今度は財政の膨張やインフレを警戒し、支出を抑えようとしました。
つまり、
「不況のときにはアクセルを踏み、回復したらブレーキを踏む」
という考え方です。
一度始めた政策だからといって、いつまでも続けるのではありません。
状況が変われば、自分の判断も変える。
これは現在の仕事や経営にも通じる考え方ではないでしょうか。
私たちの仕事や経営に置き換えてみると
事業が思うようにいかないとき、「経費を全部削らなければ」と考えてしまうことがあります。
しかし、将来の仕事につながる勉強、設備、システム、営業活動まで削ってしまえば、事業を成長させる力そのものを失ってしまうかもしれません。
反対に、「せっかくお金をかけたのだから」と、効果のないものをいつまでも続けることも適切ではありません。
大切なのは、
今、本当に必要な投資なのか。
その投資は将来につながっているのか。
状況が変わったら見直すことができるのか。
を考えることだと思います。
営業活動についても同じです。
ある方法を試して成果が出なければ、ただ回数を増やすのではなく、「対象が違うのか」「伝え方が違うのか」「サービス内容を変えるべきなのか」と考えてみる。
失敗を「やめる理由」にするのではなく、次の判断材料にすることが大切です。
現在の「責任ある積極財政」を掲げた高市政権の考えに通ずるもののと考えます。
高橋是清から学びたいこと
高橋是清の人生や政策から、私は次のようなことを学ぶことができると思います。
苦しいときこそ、必要なところには投資する。
一度決めたことに固執せず、状況を見て方針を変える。
失敗を次の判断材料にする。
そして、
始める勇気と同じくらい、見直す勇気を持つ。
高橋是清は1936年、軍事予算の拡大を抑えようとする中、二・二六事件で命を落としました。
時代も経済環境も現在とは大きく異なりますので、高橋財政をそのまま現在に当てはめることはできません。
しかし、
「必要なときには大胆に行動し、状況が変われば冷静に軌道修正する」
という姿勢は、時代が変わっても仕事や経営に通じるものがあるのではないでしょうか。
私自身も仕事をしていく中で、目の前の結果だけに一喜一憂するのではなく、「今は何に力を入れる時期なのか」を考えながら、一歩ずつ進んでいきたいと考えております。
街の総務課 大崎市鹿島台 社会保険労務士 吉村 利幸
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