10月10日にタカカツアリーナ大崎(大崎市古川)で開催された「おおさき産業フェア2026」に所属する宮城県社会保険労務士会古川支部のスタッフとして参加してきました。
当支部として労働・社会保険制度に関するアンケート、無料相談を行いました。私は今回初めての参加となりましたが、無料相談中に「公立学校の教員について労働条件が心配」とのご相談がありました。公立学校の教員につきましては、給特法(公立学校の教育職員の給与等に関する特別措置法)という特例が設けられています。
この問題を考えるうえで、次の3点を分ける必要があると考えます。
- 労働基準法第32条(法定労働時間)は公立学校の教員にも適用される。
- 給特法により、時間外勤務手当・休日勤務手当は原則として支給されない。
- だからといって、無制限に時間外勤務を命じられるわけではない。
つまり、「残業代を支払わなくてよいこと」と「何時間でも働かせてよいこと」は、法律上まったく別の問題と考えます。
文部科学省は、教員の専門性や自律性を尊重する制度として給特法を説明しています。一方、2025年の国会審議でも、こうした業務を自発的勤務として扱うことの妥当性が問題となりました。
※文部科学委員会 2025年4月16日 大石あきこ氏 国会質問
フル字幕【 #大石あきこ 国会質問】 文科省は教員の労基法守れ!(文部科学委員会 2025年4月16日) #れいわ新選組 #大阪5区 – YouTube
時間外勤務命令ができる業務(超勤4項目)は、給特法第6条に基づき、原則として次の業務に限定されています。
- 生徒の実習に関する業務
- 学校行事に関する業務
- 職員会議に関する業務
- 非常災害等のやむを得ない場合の業務
臨時または緊急のやむを得ない必要がある場合に限られます。
また、時間外在校等時間については、原則月45時間、年間360時間以内という指針上の上限が設けられています。これは一般企業の36協定による時間外労働の上限とは法的な仕組みが異なります。
労働基準法第32条による労働時間規制が存在する一方で、実際の時間外勤務が増えても、原則として時間外勤務手当が増えない。
一般企業であれば、時間外労働に応じて割増賃金の負担が増えますが、給特法の対象となる教員の方々については、その仕組みがないと考えます。
したがって、制度の建前は「時間外勤務を原則命じない」ですが、実際には時間外の業務が発生し、それが教員個人の負担になりやすい構造です。
給特法があるから残業代を支払わなくてよいという問題ではなく、教員の方々に所定勤務時間内では終わらない業務量を負担させてよいのかがこの問題の焦点と考えます。
教育現場における第一線に従事する教員の方々が、長時間労働の是正や業務負担の軽減を図ることで、心身ともに健康で、安心して働き続けられる職場環境を整備することが重要と考えます。
令和8年以降、教職調整額を段階的に引き上げるなどの措置が講じられ、教員の方々の処遇改善が進められております。
街の総務課 大崎市鹿島台 社会保険労務士 吉村 利幸


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